アニサキスが寄生している魚介類を食した際、ほとんどが胃アニサキス症を発症します。アニサキスを接種して数時間後に腹痛、吐き気などの激しい痛みが起こります。その他、発熱や蕁麻疹などのアレルギー症状が起こる場合があります。

腸アニサキス症の場合、アニサキスが寄生した魚介類を食してから吐き気・嘔吐、腹痛などの症状が現れるまで半日から数日かかることがあります。このため、症状の原因がアニサキスと気づかず、腸閉塞、腸穿孔、腹膜炎などの重篤な疾患に罹る可能性があります。

発症頻度は稀ですが、体内に入ったアニサキスが消化管を突き破って移動してしまう病気です。治療法はアニサキスが移動した場所によって異なります。

生の魚介類に限らず、死滅したアニサキスやアニサキスを取り除いた魚介類であっても、アニサキスアレルギーをもっている場合にはアレルギー症状を起こすことがあります。アレルギー症状が出ないよう、アニサキスが寄生している可能性がある魚介類を食さないようにすることが大切です。

胃アニサキス症は、胃カメラで胃粘膜を観察し、アニサキスの有無を調べます。アニサキスは除去が済んだら痛みはすぐになくなり、検査中に除去が可能です。しかし、アニサキスの疑いがあり、胃カメラを行う場合は、最後の食事から7時間空けた状態で受診する必要があります。受診時に最後の食事から時間が経っていない場合、胃カメラでなく、超音波検査を行うこともあります。

腸アニサキス症は発症頻度が約1％と稀です。検査としては、大腸カメラまたは腹部超音波検査、抗アニサキス体を検査するために血液検査を行います。