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胃アニサキス症が40例となりました。



開院以来当クリニックでの胃アニサキス症が40例となりました。
当グループで経験したアニサキス症の特徴を下記に列記してみました。


アニサキスの感染経路と症状

アニサキスの感染は、生または加熱不十分な魚介類を摂取することによって引き起こされます。
特に生食や生焼けの魚、寿司や刺身などが感染のリスクが高い食品とされています。
当院で確認されたものでは
サバ(しめさばも同様)
アジ
イワシ
イカ
サンマ 
ヒラメ
マス 等があります。

調理法等、店舗等の傾向(当クリニックにて)ですが
チェーン店等の回転寿司ではほとんど発生が見られず、比較的高級店が多い印象がありました。回転寿司ではきちんと冷凍処理がされているものと思われ、
新鮮な魚介類にアニサキスが寄生しているものと思われました。

鮮魚売り場はどこでもある一定の確率で発生いたします。 こちらはあまり加熱していない等、調理法が原因と思われました。

さらにアニサキスが1匹ではなく数匹いる患者さんの特徴として、自分で釣った魚を自分でさばいた方がほとんどでした。


アニサキスの臨床症状

  • 腹痛や激しい腹痛 特に心窩部痛
  • 吐き気や嘔吐
  • アレルギー反応(アナフィラキシーショック) 蕁麻疹があります。

アニサキスの治療法
(当グループでの500例程度での経験も含めて)
アニサキスが疑われたら可能な限り上部消化管内視鏡検査を施行し、アニサキス中体を確認したら内視鏡的にアニサキス虫体を除去いたします。
アニサキスが実際にいなくても胃のひだの粘膜浮腫、発赤、びらん等アニサキスが食いついた痕跡を認めることがあります。

アニサキスを除去しただけでは腹痛は改善せず、
アニサキスによる胃粘膜のアレルギー反応による疼痛なので
胃潰瘍等では禁忌とされる、ステロイド、鎮痛薬、それに加えて抗ヒスタミン薬等のアレルギー薬を投与すると症状が改善する例がほとんどでした。
また原因はわかりませんがヘリコバクターピロリ感染が疑われるような萎縮性胃炎の例にはアニサキス症が少ない傾向がありました。(これについては統計学的にまとめないといけないのですが)

 

アニサキスの予防法

アニサキス感染を防ぐためには、以下の予防策が効果的です:

  1. 魚介類を十分に加熱する: 特に寿司や刺身など、生の魚介類を避け、加熱処理を施すことが重要です。

  2. 注意深い食事の選択: 不安な場合は、信頼できる店舗で調理された魚介類を選ぶようにしましょう。

  3. 十分な冷凍処理: 生の魚介類を消費する場合は、十分に冷凍してから食べるとアニサキスのリスクを減らすことができます。 サーモンは比較的アニサキスのリスクが高いのですが冷凍処理をされているものが多いせいか当院ではあまり見られません。

    胃アニサキス症に対する内視鏡検査での最大の特徴として

    ほぼ全例当日の緊急内視鏡によるものでした。

    基本的には空腹時の検査になりますので、食事をしていない、頻回に嘔吐をして胃液しか出てこない等の方はすぐに内視鏡検査が可能です。
    朝食を食べてしまったという方は午後まで胃の内容物が消化をするのを待って内視鏡検査を施行しております。
    夕方に昼食、あるいはおやつ等を食べてしまった方で胃アニサキス症が疑われる方はPPI、H2ブロッカーの胃薬に加えてステロイド、鎮痛薬を処方し
    翌日に胃内視鏡検査を施行することがあります。

    胃アニサキス症が疑われる腹痛が出現した際には当院にご相談ください。




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