便秘Coprostasis

便秘Coprostasis

便秘(お腹の張り)についてFULLNESS FEELING

腹部膨満感とは、お腹にガスや液体が溜まって圧迫され、苦しい状態を指します。
お腹で発生するガスは、食事とともに飲み込む空気と、食べ物の消化の時に発生するガスが一緒になったものです。
げっぷやおならがうまく出せない場合や、ガスの量が多いと腹部膨満感を感じます。また、お腹に液体が溜まる原因に、心臓・肝臓・腎臓など臓器の疾患があり、代表的なものとして便秘が挙げられます。当院は、消化器内科として便秘を専門的に治療してまいります。

便秘とはABOUT

便秘

便秘には人それぞれ様々な症状があります。
便の回数には個人差があり、毎日排便がなくても、その人の排便のペースが正常範囲内であれば問題はありません。正常範囲内とは、1日に3回~3日に1回と幅広く、1週間で換算すると3回以上となります。
しかし、便秘によって日常生活に支障が出ている、腹痛、腹部膨満感、体重減少、便に血液が付着する、気分が優れない、1カ月以上残便感のある排便が続く、急に便秘気味になったなどの症状がある場合は早めの受診をお勧めします。

便秘の原因・タイプCAUSE

便秘とは、排便のメカニズムに障害が起こることで腸内に長時間便が残って不快感があり、排便が起こらない状態を指します。
便秘の仕組みの違いでいくつかの種類に分類することができます。
胃・大腸・肛門の病気が原因で起こる「器質性便秘」、大腸の動きがうまくいかないことが原因で起こる「機能性便秘」があります。
「機能性便秘」は更に3つに分類されます。

直腸性便秘(便排泄障害型便秘)

直腸に便が来ても便意を感じにくく、必然的に大腸内に長時間便が滞留します。原因として、便意を我慢し過ぎ、トイレの時間を確保できないなどの排便リズムが崩れることが考えられます。

弛緩性便秘(通過時間遅延型便秘)

このタイプは便秘の中で一番多く、運動不足や食物繊維の摂取不足によって大腸の蠕動運動が低下し、便の通過に時間がかかり、大腸内に長時間便が滞留します。

痙攣性便秘(通過時間正常型便秘)

便秘の他に腹痛や腹部膨満感が起こるタイプで、自律神経が過度の緊張によって乱れ、蠕動運動が強くなることで腸が痙攣を起こし、大腸内の便を運ぶ働きがうまくいかなくなります。

他にも、服用している薬の副作用やホルモン・神経の病気が原因で便秘になることがあります。

便秘を伴う疾患DISEASE

以下に挙げたものは、便秘と関係のある消化器系の病気についてです。

大腸がん

現代の日本人の食事は欧米化が進んでおり、動物性脂肪を消化させる胆汁酸が長時間腸内に留まり、発がん性物質に変化します。更に食物繊維の摂取不足が便秘を招き、2次胆汁酸を発生させる原因となります。初期症状はほとんどありませんが、進行するにつれて大腸内腔が狭窄し、排便が困難になります。急に便秘になる、便が細くなる、血便になった場合には早急な受診が必要です。

過敏性腸症候群(Irritable bowel syndrome :IBS)

過敏性腸症候群は、便秘の種類にある「痙攣性便秘」と呼ばれることがあります。小腸・大腸にびらんや潰瘍などの器質的病変がなくても、便秘や下痢、腹痛、腹部膨満感などを繰り返す病気です。一時的に症状が改善しても、精神的・肉体的なストレスが原因となって再発することもあります。

腸閉塞(イレウス)

腸が機能障害を起こし、捻じれ・腫瘍が起きることで腸が詰まり、腸の内容物が運ばれなくなってしまう病気です。腸内に便やガスが滞留することによって、便秘・腹痛・腹部膨満感・嘔吐などが起こり、発熱するケースもあります。

排便時に強くいきむことによって肛門部がうっ血し、便秘によって硬くなった便が肛門部を傷つけて起こります。肛門部の痛みや出血、化膿などの症状が見られます。また、直腸に滞留した便が肛門部を圧迫して血流が悪化します。肛門部の痛みや出血を恐れることで排便を我慢し、更に便が硬くなって悪循環を起こします。これにより、痔と便秘が悪化してしまいます。

便秘の検査SCREENING

当院で実施する検査は次の通りです。検査の際は、患者様の排便の状態、痛みの度合い、お悩みなどをお伺いします。

当院の大腸カメラ

大腸カメラ

大腸カメラは肛門より内視鏡スコープを挿入して、大腸内の粘膜を観察します。大腸カメラは進行が遅く、自覚症状がほとんどありません。がんを発見した時にはかなり進行している場合もございます。症状がないうちから大腸カメラ検査を定期的に受けることで大腸がんを早期発見、早期治療に繋がります。
また、がんになる可能性のある大腸ポリープを発見した場合は検査中に切除することが可能です。当院では、不安を感じる患者様でも安心して受けていただけるよう、鎮静剤を使用する、更衣室を男女別にするなどの工夫をしています。ご不明点がありましたら、些細なことでもご相談ください。

便秘の治療TREATMENT

食事療法

便秘は水不足が原因で悪化することがあるため、意識的に水分摂取をするようにしましょう。また、栄養バランスの取れた、食物繊維が豊富な規則正しい食事1日3回摂るようにします。ダイエットをすると、食事量・脂肪分の不足によって便秘になりやすくなります。ダイエットを考えている方には、カロリー摂取に関しての適切なアドバイスを行っています。

運動療法

1回30分程度の有酸素運動を週に3回以上、日常生活の中に取り入れましょう。速足の散歩や、階段を積極的に利用するなど日常生活の延長でできる範囲の運動で構いません。運動は基礎代謝の向上、血行改善が期待でき、腸の機能も改善します。デスクワーク中心の方は、座ったままでもできるストレッチを行うなど、こまめに身体を動かすことが大切です。

生活習慣改善

1日3回の規則正しい食事・早寝早起きは、身体機能の改善に繋がります。早起きし、朝食を摂ってトイレに行く習慣をつけると生活リズムができて効果的です。便意がある時は我慢せずトイレに行くことも大切です。このような生活習慣が身体の健康に繋がり、便秘解消・再発予防になります。睡眠時間の確保、休息をしっかりとる、身体を冷やさないことも大切です。夏でもシャワーで済ませず、湯船に浸かって血行促進することで隠れ冷えを改善でき、リラックスすることでストレス解消もできます。

薬物療法

医師が処方する薬剤は、便秘の原因・体質に合わせているため、市販薬で効果を実感できずに悪化している場合でも効果的な治療が期待できます。従来の薬に加え、新しい作用の薬剤も出ているため、患者様の状態に合わせた薬をご提案します。患者様が一番困っている症状の改善を優先し、漢方薬を併用して処方することもあります。病状に合わせ受診時に処方を調整しますので、お気軽にご相談ください。

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