十二指腸潰瘍とはABOUT
十二指腸潰瘍は、十二指腸（特に胃付近）の粘膜に多く潰瘍ができる病気です。出血、穿孔が起きやすく深部まで進行しやすい原因として、十二指腸の壁は筋層が薄いためであると考えられます。十二指腸潰瘍を罹患した患者様の97％以上がヘリコバクター・ピロリ菌に感染していることがわかっています。 十二指腸潰瘍と胃潰瘍では異なる点が多くあり、十二指腸潰瘍はストレスを感じやすい20～40代に多く発症し、増加傾向にあります。周辺組織との境界がはっきりとした潰瘍ができ、粘膜を越えて深部まで進行します。
十二指腸潰瘍の原因CAUSE
胃潰瘍と同様、ストレスや遺伝的要因が関係しており、胃酸と粘膜による防御の働きのバランスが崩れてしまうことで発症します。
十二指腸潰瘍の検査SCREENING
胃カメラやピロリ菌感染検査が、正確な診断には有効となります。
胃カメラ検査
胃、食道、十二指腸などの上部消化管全域の粘膜を、カメラが搭載されたファイバースコープによって緻密に映し出し、粘膜の状態を直接観察します。観察時に発見した疑わしい組織は、一部を切除して検査に出します。胃がんは胃カメラで早期発見することが可能であり、適切な治療を行えば完治する可能性がある病気です。当院の胃カメラは、日本消化器内視鏡学会が認定した消化器内視鏡専門医が行っています。検査、検査結果説明、治療内容を患者様がわかりやすく丁寧にご説明することを心がけています。どんな些細なことでも不安やご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
ピロリ菌の検査
検査方法はいくつかあり、試薬を用いた迅速ウレアーゼ検査、染色と顕微鏡で観察、培養などで採取した組織から感染の有無を調べることができます。その他に呼気、血液、尿、便からも検査が可能です。保険適用で検査ができるものがありますので医師と相談のうえ、患者様に最適なものを選択します。
十二指腸潰瘍の治療TREATMENT
薬剤療法
十二指腸潰瘍は再発しやすい病気であるため、胃酸の分泌を抑制する薬を6週間服用することで80％以上の改善が見られますが約1年間は薬をきちんと継続的に服用して治すことを考えましょう。ピロリ菌感染は、十二指腸潰瘍と胃潰瘍にはとても深い関わりがあることがわかっており、除菌治療が成功した場合は高い再発防止効果が期待できます。ピロリ菌の除菌には、1週間で2種類の抗生物質と胃酸分泌を抑制する薬を服用するだけであり、身体への負担はありません。除菌治療が必要なケースは、再発を繰り返すときや潰瘍が深部まで到達していて出血が起きている場合です。
手術（出血した場合）
胃カメラ中に潰瘍から出血があり、必要であると医師が判断した場合は、内視鏡で止血処置ができます。出血があっても十二指腸潰瘍の場合は内視鏡での治療ができ、90％以上の患者様は身体に負担のかかる開腹手術をせずに治療ができます。