胃ポリープとはABOUT
胃ポリープとは、胃に出来る「いぼ」のような盛り上がったものをいいます。症状はほぼないため、健診などで自覚するケースが多いです。ポリープには、4つの形があり、粘膜下腫瘍型、無茎型、亜有茎型、有茎型に分類されます。胃炎の症状がある方は、胃ポリープを発症しやすいといわれています。過形成性ポリープはがんではありませんが、腺腫性ポリープの盛り上がりのある部分の細胞は正常な細胞と形が異なります。がん細胞でないものの、がんになる可能性がある細胞といわれています。
胃ポリープと胃がん
がんとは、体内で新しい細胞が生まれる過程で、異常な細胞が生まれてできます。新たな細胞は、本来であれば問題なく体の機能を維持しますが、何かしらの原因で悪性の細胞、すなわちがん細胞が生まれることで身体を蝕みます。正常な細胞とがん細胞を識別するには、胃カメラで組織の生検を行い、顕微鏡検査を行うことで判明します。過形成性ポリープの場合、同じ検査方法でがんであるか否かがより正確にわかります。
胃ポリープの検査・診断SCREENING
胃ポリープであるかを正確に診断するためには、胃カメラを受ける必要があります。胃バリウム検査の場合、ポリープの大きさやできている場所によっては正確に診断できないことがあります。胃カメラであれば、胃粘膜内のポリープを直接観察でき、必要であれば生検も行うことができるため有用な検査といえます
当院の胃カメラ
胃、食道、十二指腸などの上部消化管全域の粘膜を、カメラが搭載されたファイバースコープによって緻密に映し出し、粘膜の状態を直接観察します。観察時に発見した疑わしい組織は、一部を切除して検査に出します。胃がんは胃カメラで早期発見することが可能であり、適切な治療を行えば完治する可能性がある病気です。当院の胃カメラは、日本消化器内視鏡学会が認定した消化器内視鏡専門医が行っています。また、検査結果説明や治療内容の説明に関して、患者様にわかりやすく、丁寧に説明することを心がけています。どんな些細なことでも不安やご不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。
胃ポリープの治療TREATMENT
過形成性ポリープや腺腫であっても、ポリープの大きさが1センチ以下であれば、観察だけして治療せずに放置しても問題ありません。ただし、腺腫の場合は定期的な検査を受けて経過観察をすることをお勧めします。がん細胞でないと診断されても、大きさが2センチを超える過形成性ポリープや一部の腺腫、急激に成長したポリープには「ポリペクトミー」や「EMR(内視鏡的粘膜切除術)」を用いて切除することもあります。患者様の同意の上で、がん細胞が見つかった場合にポリープ周辺とポリープそのものの生検を改めて行います。
内視鏡で切除
医師よりポリープ切除の診断がついたら、胃カメラでポリープの切除を行います。この時胃に挿入する検査機器は胃カメラと同じものとなります。なお、大きなポリープやがん細胞化しているものは、手術で腹部を切開してがんを取り除く場合があります。
ポリペクトミーとEMR
胃カメラを胃に挿入後、ポリペクトミーやEMRの切除方法を用いてポリープを取り除きます。胃カメラによる治療であれば腹部切開をする必要がなく、苦痛を感じることなく胃ポリープを切除することができます。ただし、手術を受けることは同じですので、出血や穿孔などの偶発症が起こる可能性があります。医師の指示に従って切除後は安静第一を心がけましょう。